8月22日(土)10時から、かまくら駅前蔵書室にとって初めてのイベント「ビブリオバトらず」が開催されました。
参加者は7名で、内5名の方が鎌倉に関するオススメ本を紹介。いずれも既読者がいなかったため、どれも興味深くお話を聴くことができました。
みなさんがご紹介くださった書籍は以下の通りです。ミステリ、ビジネス、観光、哲学、文学と、まるで打ち合わせしたかのように見事にジャンルも分かれました。
■西尾正探偵小説選(Ⅰ・Ⅱ)・・・西尾正著 論創社ミステリ叢書 各2,800円
すべて短編で、結核の治療のため移住した鎌倉を舞台にした作品も多い。「試胆会奇話」では「光明寺裏山の秋葉山の頂上にあるお宮の如幻菩薩」というマニアックなフレーズも。ちなみに著者は「亀の子たわし」の西尾商店の子息。
■江ノ電 10Kmの奇跡・・・深谷研二著 東洋経済新報社 1,500円
効率化・収益重視ではなく、江ノ電にしかない資源やイメージを活かす戦略を実践した技術畑出身の「鉄道屋」で前社長の著書。ビジネス本以上の面白さが凝縮されている。
■復刻「鎌倉大観」・・・鎌倉春秋社 1,500円
明治35年の鎌倉観光ガイド。既に版は戦争で焼失していたが、市民が所蔵していたものをもとに昭和61年に復刻版が発行された。原版の発行元は「相州八幡前松林堂」、現在鎌倉駅東口の「松林堂書店」さん。今回はその四代目店主である小田切さん自らご紹介いただきました。
■西田幾多郎哲学論集Ⅲ・・・岩波文庫 860円
「善の研究」で知られる著者は京都の印象が強いが、実は晩年を稲村ヶ崎で過ごした。1編1編は短いので読みやすい。鎌倉の生活が背景にあると思うと、より共感できる。
■白秋・・・伊集院静 講談社文庫 590円
戦後の鎌倉が舞台だが、夏目漱石の作品、時代を彷彿とさせる。鎌倉の風情、時間、自然、歴史など独特の背景ががあったからこそ成立した作品。
(価格はいずれも税抜き表示)
どれもページをめくりたくなる魅力的な本ばかりでした。
こうして知らなかった本に巡り会える場として「ビブリオバトらず」はとても有効であることが実感できました。
3人集まったら開催と宣言していましたが、ご都合での欠席はお一人だけで、スタッフを含め7名になりました。
全員が気軽に話し合え、ときには頭を寄せ合って本を覗き込んだりもでき、ちょうどいい人数だったと思います。
午後「夕べ知って来てみたんですけど、どうでした?観戦したかったです。」と静岡県内の図書館司書の方がいらっしゃってびっくりです。
次回は9/26(土)を予定しています。
みなさんも、オススメの鎌倉本を持ってぜひご参加ください。
もっと知りたいんです、知らなかった鎌倉の本を、鎌倉のことを。
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