ビブリオバトらずVol.2開催

第2回の「ビブリオバトらず」が、919日(土)に行われました。

参加者10名のうち7名がオススメ本を紹介。今回もジャンルは幅広く、知っているようで知らない鎌倉本と出会えました。さらに、みなさんがお持ちの情報やエピソードが語られ、前回にも増して楽しい会に。ご参加いただきましたみなさん、ありがとうございました。

それではご紹介順に要点だけお伝えします。


■鎌倉遠足 名取明香著 ウォレック 800円+税

東京在住の若い女性が作った鎌倉を紹介する本。「人物」「合戦」などに分類してわかりやすく構成されている。知らないことが多いのを改めて実感。「幕府創世に関わった武士たち」では、彼らの名前がそのまま地名になったケースが多かったこともわかる。鎌倉幕府の成立は1192年ではなく1185年であったと伝えられたが、1192は実朝の出生年であることも、この本で知った。


■昭和の鎌倉風景 竹腰眞一写真集 冬花社 2,200円+税

材木座の入口にある元酒屋の竹腰眞一さんが1955年頃に撮った写真を集めたもの。特に松林が広がっている海岸の写真が、今は見ることができない風景で印象的。当時の風景にひかれて終の住処としたであろう哲学者の西田幾多郎さんにあこがれ、自分も近所に転居した。海岸を歩きながら思慮に耽った場所で、その頃を思い浮かべながら追体験する。その当時の鎌倉の風景を教えてくれる貴重な本である。


■ハナヤマタ 浜弓場双著 KRコミックス 590円+税

日本が好きで、特によさこい踊りがしたくてアメリカから日本にやってきた女子中学生ハナ・N・フォンテーンスタンドはスーパーガール。一方、ヒロインになりたいものの何のとりえもない普通の女の子・関谷なるはハナと出会い、中学によさこい部創設を手伝い、メンバーと共に成長していくストーリー。登場人物の名字が、関谷、笹目、西御門、常盤、笛田、梶原など鎌倉市内の地名。ビジュアルからも、そのモデルとなっている建物や場所が想像でき、聖地巡礼が可能。


■海街ダイアリー 吉田秋生 小学館 505円~545円+税 

■写真集 海街ダイアリー 瀧本幹也 青玄社 3,200円+税

もともとマンガを読まなかったが、映画化を機に挑戦したら6巻を一気に読んでしまった。映画を観て、この写真集も見た。身近な場所や風景が登場するのは素直にうれしいものである。「家族」がテーマではあるが、自分の存在は何なのかを問うている作品で感銘を受けた。写真も印象的。これぞという写真を10/17(土)の写真トークセッションでみなさんと語り合いたい。


■亀時間 櫻井雅之著 スペースシャワーブックス 1,600円+税

■鎌倉大町いまむかし 進藤澤一著 リーブ企画 価格不明

八雲神社の境内にある家に住むようになったが、鎌倉は古くから住む人たちの結束が固く入り込みにくい一面があった。しかし、一度溶け込めば子どもを見守ってくれるなど、心地よいコミュニティが形成されている。そんなエリアにあるゲストハウス「亀時間」では、外国人と地元の人が当たり前の様に一緒に食事をしている空間で魅力的。そのオーナーが著したのがこの本。地元ならではの周辺のスポットなども紹介されていて、地元を体験するのに役立つ。


■鎌倉のカフェで君を笑顔にするのが僕の仕事 堀内隆志著 mille books1,080円+税

鎌倉、京都、古書店巡りが大好き。ある日、京都のあこがれのお店を訪ねた際に見つけたのが、この本だった。しかも将来、自分は古書店を、娘たちはカフェをやりたいねと夢を語ることもあったので素晴らしい出会いに。ただ、著者の経験からカフェ経営がいかに大変かが具体的に書かれていて、現実を突きつけられる一面も。※著者がオーナーである「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」で、今日の参加者である佐藤一太郎さんがコーヒーとワッフルセットをいただいてきたばかりという偶然も重なる。


■星月夜の鎌倉と塔の辻 きし亀子著 地湧社 571円+税

■織り姫星と鎌倉 きし亀子著 銀の鈴社 2,000円+税

自費出版した2冊を紹介。鎌倉は星の街である。鎌倉の地形やスポットと星座が重なり合うことに気づいてから研究を始め、“妄想”し、サイトをつくり、遂には自費出版した。実は頼朝が鎌倉入りする以前からこれらは描かれていたなど、鎌倉の各所と星の結びつきを中心に関係性がそのエピソードと共に語られている。もはや“妄想”では片付けられないほどの事例が満載。今日の出席者3名がその場で購入されました。


高橋徹さんが紹介しました「亀時間」は、材木座にあるゲストハウス「亀時間」のオーナーが綴った本。散会後、3名の方が徒歩で向かいランチを食べたそうです。


毎月開催していく予定でしたが、10月は都合でお休み、次回は11月になります。みなさまのご参加をお待ちしています。

 

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