今日も眼下を楽しそうに海水浴に向かう人が。
その「海水浴」の歴史について調べた数少ない資料ともいえる本をご紹介しますね。
畔柳昭雄著「海水浴と日本人」(中央公論新社)
海水浴は、明治の中ごろまでは「ウミミズユアミ」と呼ばれ病気の療法で、その後、遊泳や余暇活動になっていったそう。それに大きな役割を果たしたのが長与専斎、松本順、後藤新平。彼らの熱心な発信によって次第に海水浴場がオープンしていきます。これに伴って保養地や別荘地が開発されていきました。
そう、鎌倉もその一つなんですね。この本にもサナトリウムだった「鎌倉海浜院(のちの海浜ホテル)」が写真と「想像図」付きで掲載されていますよ。
「芥川龍之介が10カ月滞在していた」「谷崎潤一郎の小説『痴人の愛』においても鎌倉のシーンが取り上げられるほど」という記述もあります。
今日も暑い鎌倉のビーチだと思いますが、駅前の冷えた部屋でこんな本を読むのはいかがですか。
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