いつもカマゾウをご愛顧くださりありがとうございます。
今日はとても悲しいご報告です。
2018年10月と11月、2019年7月と9月の4回、そして今年は11月15日にも予定していました「見て、聞いて、触って楽しむ能楽」の講師で女流能楽師の宮内美樹さんが、11月20日に急逝されました。
先月分はいったん延期とのご連絡をいただいていましたが、まさかという思いで、いまだに信じられません。
人気の講座で毎回参加者も多く、また一緒にまち歩きや食事を楽しんだ方、東京での公演に足を運んだ方もいらっしゃいましたので、早く皆さんにもお知らせしなければと思っていました。
ただ、ご家族も悲しみにくれていらっしゃるとのことで、お知らせはためらっていました。
先週土曜、職場がご一緒だったということから親交が深く、カマゾウでの講座の企画運営もしていただいていた行松さんご夫妻がお墓参りに行ってくださり、また先日ホームページでも訃報が掲載されましたので、今日皆さんにもご報告させていただきました。
コロナ禍のため葬儀はご家族のみで行われ、行松さんが茨城県に墓参されたのは11月28日のこと。
墓前でご家族と思い出話をされていると通り雨があったそうです。周囲は青空が広がっているのに、そこだけに雨粒が落ちてきました。
並べた写真やお供え物をどうしようと右往左往しているうちに雨が上がり、再び青空に。
そして、その空には鮮やかな虹(しかも二重!)がかかったというのです。
今の通り雨は、まるでこの虹をかけるために誰かが降らせたかのよう。行松さんは「鳥肌もの。宮内さんからのお礼の気持ちと受け止めました」と振り返ります。
伝統芸能の世界に身を置いていたので礼儀を重じていたのは当然なのでしょうが、講座が終わると数日後には必ずお手紙がカマゾウに届きました。感謝を綴る筆文字に、毎回温かく、そして清々しい気持ちになったものです。
そんな宮内さんに、また講座でお会いするのを楽しみにしていましたが、叶わずとても残念です。心よりお悔やみ申し上げるとともにご冥福をお祈りいたします。
「初めて観に行ったら、寝ちゃってもいいんです、それが普通。私もそうだったんですから」
とても遠い存在だと思っていた「能」を、楽しく、でも深く教えてくださり本当にありがとうございました。
いつか宮内さんの舞台を観に行って思いっきり寝ようと思っていましたよ。
久習會のホームページはこちら
*出演予定だった12/22の舞台は、追善公演となるようです。